歯の矯正では、ブラケット装置やマウスピースなど、矯正装置をつけ、歯並びを整えていきます。
矯正装置をつけることにともない、歯の矯正中は、噛むのを控えていただきたい物など、食事における注意点も。
今回は、「歯科矯正中の食事で気をつけていただきたいこと」について、お話しします。
目次
■歯科矯正中の食事で気をつけていただきたいこと
◎(ブラケット矯正・マウスピース矯正どちらも)矯正中は、前歯でかじり取る物、硬すぎる物は避けましょう
ブラケット矯正は固定式、マウスピース矯正は取り外し式のため、それぞれに矯正中の注意点が異なります。
それぞれに注意点が異なりますが、共通の注意点も。
矯正方法を問わず、歯科矯正中の食事では、以下のような物は避けましょう。
[歯科矯正中、避けるべき物]
- 前歯でかじり取る物
骨つきの肉、芯がついているとうもろこし など
前歯でかじり取る物は、前歯が前方へひっぱられやすいです。矯正の動きをさまたげたり、歯並びが乱れる原因になります。
なお、骨から肉を外す、芯からとうもうろこしを取るなど、前歯でかじり取る動作をしなくて良い状態であれば、上記のような食材は食べても構いません。
- 硬すぎる物
氷、飴玉、地方名産の硬いお菓子 など
硬すぎる物を噛むと、顎の骨に負荷がかかりやすくなります。噛んだときの負荷が増すことにより、矯正の歯の動きがさまたげられるおそれも。
なお、硬すぎる物でも溶かしてorやわらかくしてあれば、上記のような食材は食べても構いません。
—–
上記が、矯正方法を問わず、歯の矯正において気をつけていただきたい共通の注意点です。次の項からは、それぞれの矯正方式ごとの注意点をご説明します。
■ブラケット矯正中の食事で気をつけていただきたいこと
◎固定式のため、ブラケット矯正中の食事では制限がかかります
ブラケット矯正は、固定式の矯正装置を用いる矯正方法です。固定式のため、控えていただきたい物が多く、矯正中の食事に制限がかかります。
[ブラケット矯正中、避けるべき物]
- 歯や矯正装置にくっつきやすい物
ガム、ソフトキャンディー、キャラメル、水あめ など
くっつきやすい物が原因で矯正装置が外れたり、装置が破損する場合があります。装置への不具合に加え、くっつきやすく糖分が含まれる物はむし歯の原因になるリスクも。
なお、ゼリーやプリン、ヨーグルトなどは食べてもOKです。食べてもOKですが、ゼリーやプリンには糖分が含まれている物が多いため、食べた後は歯をみがきましょう。
[ブラケット矯正中、気をつけて食べていただきたい物]
繊維質の物
- もやし、ニラ、長ねぎなどの繊維質の野菜
- えのきなどの繊維質のキノコ類
- 魚、鶏肉などの繊維質の魚介類・肉類
細かい粒や細かい食片になる物
- アーモンド、ピーナッツなどのナッツ類
- ごま、ひまわりの種などの種子類
- 粒コショウなどの調味料
- 七味・一味唐辛子などの香辛料
- ひき肉などの肉類
繊維質の物、および、細かい粒の物や細かい食片になる物は、歯と装置のあいだに挟まりやすいです。矯正装置が外れたり、装置が破損する原因になることがあります。
◎装置に合わせた歯みがき・歯間清掃を行い、ブラケット矯正中のむし歯・歯周病リスクを低減することが重要
ブラケット矯正では、装置に合わせた歯みがき・歯間清掃の仕方を歯科医師・歯科衛生士から教えてもらいましょう。装置に合わせたセルフケアの仕方を教えてもらうことで、ブラケット矯正中のむし歯・歯周病リスクの低減にアプローチできます。
■マウスピース矯正中の食事で気をつけていただきたいこと
◎取り外し式のため、マウスピース矯正ではいつも通りの食事を楽しめます
インビザラインなど、マウスピース矯正は取り外し式です。取り外し式のため、マウスピース矯正ではいつでも自由にマウスピース取り外して、いつも通りの食事を楽しめます。
装置を外して、歯をしっかりみがくことも可能です(※)。
(※)マウスピース矯正中は、1日20時間
以上のマウスピースの装着が必須です。
マウスピース矯正中は、前述の前歯でかじり取る物と硬すぎる物を除き、ブラケット矯正のような食べ物の制限はありません。
【矯正中のルールを守り、ご自身が思い描く理想の歯並びへ一歩ずつ進んでいきましょう】
避けるべき物、気をつけなければならない物など、歯の矯正中(特にブラケット矯正)は食事をはじめとして、お口周りに様々な制限がかかります。
様々な制限がかかりますが、スムーズに歯を動かすためには、食材の注意点やマウスピースの装着時間などの矯正中のルールを守ることが欠かせません。
食材の制限については、矯正が進むとだんだん慣れてくることが多いです。慣れてしまえば、矯正中の食事におけるストレスを感じにくくなります。
理想の歯並びを得るために矯正中のルールを守り、一歩ずつ、矯正治療のゴールへ進んでいきましょう。