
「インビザラインの矯正中なんだけど、うっかりして、マウスピースをつけ忘れちゃった…」
「マウスピース矯正で1日のマウスピースの装着時間が20時間未満の場合、歯はどうなるの?」
インビザラインなどのマウスピース矯正では、1日につき20~22時間以上のマウスピースの装着が必須です。
マウスピースの装着時間を守れず、1日につき20時間未満の装着になってしまった場合、矯正への影響はあるのでしょうか?
目次
■インビザラインでマウスピースの装着時間を守れない(20時間未満)場合、考えられる矯正への影響
1.歯が動きにくくなり、矯正の効果が薄れるおそれがある
マウスピース矯正、ブラケット矯正を問わず、歯の矯正では矯正装置をつけて歯に力をかけ、少しずつ歯を動かしていきます。
インビザラインなどのマウスピース矯正でマウスピースの装着時間を守れない場合(1日20時間未満)、歯にかける力が不足。
歯が計画通りに動かず、当初予定していた治療期間が延びる可能性があります。
2.歯の後戻りが起きるおそれがある
マウスピース矯正の矯正中、マウスピースの装着時間を守れないと、矯正装置(マウスピース)で歯を押さえつける時間が不足します。
ルール(1日につき20~22時間以上)どおりにマウスピースを装着しなかったことが原因で歯を押さえつける時間が不足。歯の後戻りが起きるおそれがあるのです。
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マウスピースの装着時間の不足により、矯正に上記のような悪影響が出るおそれがあります。
次の項は、マウスピース矯正の矯正中、マウスピースの装着時間が不足した場合(1日20時間未満)に行う対処方法のご紹介です。
■マウスピース矯正の矯正中、マウスピースの装着時間が不足した場合(1日20時間未満)に行う対処方法
①1日以内の装着時間不足
対処方法1:
特になし(毎日のマウスピースの装着時間を守りましょう)
マウスピースの装着時間不足が1日以内であれば、歯の後戻りなど、大幅な矯正への影響は出ないことが多いです。
矯正への影響は出ないことが多いため、歯の後戻りが見られなければ、1日以内の装着不足に対しては、通常、特別な処置は行いません。今後は、マウスピース矯正の矯正中は1日20~22時間以上、マウスピースを装着しましょう。
対処方法2:(歯の後戻りが起きている場合)
歯の状態に応じ、1枚あたりのマウスピースの装着日数を延ばす
マウスピースの装着時間の不足が1日以内であれば矯正への影響は出ないことが多いですが、患者さんによっては歯の後戻りが起きる場合も。
歯の後戻りが起きている場合、マウスピースを装着したときに歯に強い違和感・強い痛みを感じることがあります。
マウスピース矯正の矯正中、1日中マウスピースをつけ忘れてしまい、マウスピースを装着したときに歯に強い違和感・強い痛みを感じるときは、矯正を受けている歯科医院へ連絡or受診してください。
歯科医師が歯の状態をチェックし、1枚あたりのマウスピースの装着日数を延ばすかどうかを検討します。
歯の後戻りが見られる場合は、通常は10日前後で交換するマウスピースを2週間以上装着するなど、装着日数を延ばすことも。マウスピースの装着日数を延ばすことで歯の後戻りを修正し、元々の治療計画への軌道の復帰を図ります。
②2日以上の装着不足
対処方法1:(歯の後戻りが起きている場合)
歯の状態に応じ、1枚あたりのマウスピースの装着日数を延ばす
マウスピース矯正の矯正中、2日以上、マウスピースの装着が不足すると歯の後戻りが起きやすくなります。
歯の後戻りが見られる場合は、前述のように1枚あたりのマウスピースの装着日数を延ばすことで後戻りした歯の位置を修正していきます。
対処方法2:(歯の大きな後戻りが起きている場合)
歯の状態に応じ、マウスピースを作り直す(治療計画の修正・変更)
歯の大きな後戻りが起きている場合は、歯の状態に応じ、マウスピースを作り直さなければならなくなる(治療計画を修正・変更する)ケースも。
マウスピース矯正の矯正中、2日以上、マウスピースの装着が不足したときは、矯正を受けている歯科医院へ連絡後、受診してください。
診察では歯科医師が歯の状態をチェック。歯の大きな後戻りが見られる場合は、歯の状態に応じて、上記の1or 2、いずれかの対処方法を検討します。
■インビザラインで1日20時間以上の装着は無理? マウスピースの装着時間を守るための「コツ」
◎「1日の合計で20~22時間以上、装着しよう」ではなく、歯みがきとお食事以外はマウスピースを装着しましょう
インビザラインなど、マウスピース矯正の矯正中、
「今、〇時間装着したから、次は〇時間装着しよう、そうすれば1日の合計で20時間以上だな」
など、1日の中の「合計時間」でマウスピースを装着しようとすると、うまく装着時間を確保できないことがあります。
なぜ、うまく確保できないかと言いますと、
〇時間+〇時間+〇時間…
など、時間の合計でマウスピースを装着しようとすると、何時間マウスピースを装着したかがわかりにくくなってしまうのです。何時間マウスピースを装着したかがわかりにくくなり、装着時間が不足してしまうケースも少なくありません。
インビザラインなど、マウスピース矯正の矯正中は、1日の合計時間で考えるのではなく、
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歯みがき
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お食事(飲食時)(水を除く)
以外はマウスピースを装着する必要がある、と考えることで装着時間の不足を防ぎやすくなります。
【マウスピースの装着時間を守り、「理想の歯並び」に向かって進んでいきましょう】
1日につき20~22時間以上のマウスピースの装着が必要な、マウスピース矯正。
マウスピースの装着をはじめとして、「マウスピース矯正の矯正中は、水を除き、飲食ごとにマウスピースを外す&歯を磨いてからの再装着が必要」など、マウスピース矯正には「マウスピース矯正ならではのルール」も。
様々なルールがあるマウスピース矯正ですが、矯正を成功に導くには、ルールを守ることが重要です。
インビザラインなど、マウスピース矯正の矯正中はマウスピースの装着時間を守り、「理想の歯並び」に向かって進んで行きましょう。

