歯科医院で行う歯のクリーニングは保険・自費の2種類があります。どちらも歯を綺麗に清掃する点は同じですが、用いる器具や清掃範囲、費用に違いが存在します。
今回は「歯科医院で行う歯のクリーニング」について、保険・自費の違いをまとめてみました。歯のクリーニングや定期検診をお考えの方、定期検診を受けている方に役立つ内容となっております。ぜひ、ご参考になさってください。
■歯科医院で行う歯のクリーニングの目的
◎歯みがきでは落とし切れない歯垢や歯石を除去します
歯科医院で行う歯のクリーニングの目的は、患者様ご自身の歯みがきでは落とし切れない歯垢や歯石を除去することです。
歯科衛生士が専用の器具・機械を用い、歯垢や歯石を除去します。
■保険の歯のクリーニング
保険の歯のクリーニングでは以下を行います。
①PTCによる歯のクリーニング
②歯石取り(スケーリング)
③ブラッシング指導(歯の汚れが多いとき)
①PTCによる歯のクリーニング
PTCとは、プロフェッショナル・トゥース・クリーニングの略です。PTCによる保険の歯のクリーニングでは以下の器具を用いて歯科衛生士が簡易的な歯の清掃を行います。
・歯ブラシ
・デンタルフロス
・歯間ブラシ
・ポリッシングブラシ
②歯石取り(スケーリング)
ハンドスケーラーや超音波スケーラーを用いて歯石を取り除きます。
歯と歯ぐきの境目の歯周ポケットの歯面に歯石がついているときはSRP(スケーリング・ルートプレーニング)や歯周ポケット掻把を行う場合もあります。
{保険の歯のクリーニングは2回に分けなければダメなの?}
保険の歯のクリーニングは2回に分けて行う場合が多いです。2回に分ける理由は、国の保険診療のルールが「必要最低限以上の過剰な診療」を禁止しているためです。
1回にまとめてクリーニングを行うと1人の患者様に多くの時間が必要になり、過剰診療になる可能性があります。このため、原則として保険の歯のクリーニングは2回に分けて行います(※1)(※2)。
(※1)歯石が多い場合など、ケースによっては3回以上の
歯のクリーニングが必要になることがあります。
(※2)歯周病治療を一定期間受けており、歯周病安定期に入った方は保険の歯のクリーニング
(SPTにおける歯のクリーニング)を1回で行える場合があります。
③ブラッシング指導(歯の汚れが多いとき)
歯の汚れが多いときは歯科衛生士によるブラッシング指導を行うことがあります。正しいブラッシングの仕方を身につけることで効率的に歯垢を落としやすくなり、むし歯・歯周病の進行リスクの軽減につながります。
■自費の歯のクリーニング
自費の歯のクリーニングでは以下を行います。保険の歯のクリーニングとの違いは、保険の歯のクリーニングが過剰診療の禁止などの制限があるのに対し、自費は制限がない点です。治療・予防・審美など、目的に関わらず、自費であれば徹底した歯のクリーニングを1回で済ませることも可能です(※)。
(※)歯石が多い場合など、ケースによっては2回以上の
歯のクリーニングが必要になることがあります。
①PMTCによる歯のクリーニング
②歯石取り(スケーリング)
③ブラッシング指導(歯の汚れが多いとき)
①PMTCによる歯のクリーニング
PMTCとは、プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニングの略です。PMTCによる自費の歯のクリーニングでは以下の機械・器具を用いて歯科衛生士が徹底的に歯の清掃を行います。
・ラバーカップ
・ラバーチップ
・専用パウダー
(アミノ酸やエリスリトールなどから作られたパウダーを用い、歯垢の膜(バイオフィルム)の分解をうながします)
・エアフロー
・デンタルフロス
・歯間ブラシ
・ポリッシングブラシ
歯の清掃に加え、PMTCでは仕上げにフッ素塗布を行い歯の再石灰化をうながします。フッ素塗布を行うことでエナメル質が厚く強化され、むし歯にかかりにくくなる効果を期待できます。
②歯石取り(スケーリング)
ハンドスケーラーや超音波スケーラーを用いて歯石を取り除きます。
歯と歯ぐきの境目の歯周ポケットの歯面に歯石がついているときはSRP(スケーリング・ルートプレーニング)や歯周ポケット掻把を行う場合もあります。
③ブラッシング指導(歯の汚れが多いとき)
歯の汚れが多いときは歯科衛生士によるブラッシング指導を行うことがあります。正しいブラッシングの仕方を身につけることで効率的に歯垢を落としやすくなり、むし歯・歯周病の進行リスクの軽減につながります。
【セルフケア・プロケアで歯の健康を守りましょう】
徳重ガーデン歯科 矯正歯科の定期検診では歯科医師によるお口の検診、および、歯科衛生士による歯のクリーニングを行っています。
当院は歯科衛生士担当制を導入しております。担当の歯科衛生士がつくことで1人ひとりの患者様に合わせた適切な経過観察・歯のクリーニングが可能です。
歯のクリーニングは保険・自費によって内容が異なりますが、どちらも、歯についた歯垢や歯石を除去する点は同じです。歯のクリーニングを受ける際は、目的(治療・予防・審美など)や費用に合わせて保険・自費を選ぶことをおすすめします。
むし歯・歯周病の進行を抑え、歯の健康を守るために、毎日のセルフケアと併せて歯科医院で定期検診を受けましょう。